
皆さんはもうこの映画をご覧になりましたか?
その内容から映像化は困難といわれていた小説でしたが、上映時間3時間22分、 10分間途中休憩という見応えのある壮大なスケールの社会派映像作で、キャスティングも良く、考えさせられることの多い素晴らしい作品でした。
日本が経済大国へと急成長した激動の時代を背景に、巨大企業に翻弄されながらも自らの信念を貫く男性の姿がうまく表現されていて、航空機事故の恐ろしさ・悲惨さはもちろんですが、企業倫理のあり方、企業組織に身を置く人の生き様について考えさせられるものがありました。
山崎豊子さんの作品は、「白い巨塔」、「不毛地帯」、「華麗なる一族」、「大地の子」などとフィクションに実話を織り込む手法なために激しい批判も多く、内容自身はどっしりと重いのですが、私は大のファンです。
近年、労働組合活動はこの映画の頃ほど活発ではなくなりましたが、一方で、「雪印食品」、「白い恋人」、「船場吉兆」など、内部告発から企業不詳事が明らかになるような事件が増加しています。
2006年4月に公益通報者保護法が施行されたとはいえ、告発に踏み切るには、自分の将来や家族のことを考えると、大変な勇気が要ります。
企業のコンプライアンスが重要視されるようになってはきたものの、まだまだ古い企業体質や国民性は急に変化するのは困難でしょう。
先日も、雪印食品の産地偽装を内部告発した西宮冷蔵が、その直後、非常に厳しい状況追いやられたことについての取材番組がありました。
企業側だけではなく、職場の仲間からも、「内部告発」という行為自体に裏切り者のような汚名を着せられ、退職せざるを得ない状況に追いやられたり、閑職に追いやられるなどの処遇を受けるケースがまだまだあります。
12月3日、大阪の淀川労働基準監督署は2年前に過労死したパート女性ら従業員18人を長時間働かせたり、同署の調査にタイムカードを提出しなかったりしたとして、大阪市西成区の食品スーパー「スーパー玉出」社長と同社元顧問の社会保険労務士を労働基準法違反などの疑いで書類送検しました。
同じ法務業に携わる立場として、「何故そんなことまで…?」と倫理観の欠如を悲しく思います。
時に人は、『自らの信念』と『自分の立場』を天秤に掛けざるを得ないような大きな決断を迫られる場面に遭遇します。
いつか「正直者が馬鹿を見る」世の中でなくなることを願いながら…。


【下左の写真:五月山公園の紅葉は、まるで絵画の世界のように美しかったです。】
【下右の写真:五月山公園の可愛いウォンバットとその下はワラビー。ウォンバットは池田市のシンボルになっています。】
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