事務所ブログ

◆ホワイトカラー・エグゼンプション・年次有給休暇に関する法改正案~「働き方改革」~

厚生労働省は、労働基準法改正案を今国会に提出する方針を決め、平成27年2015年2月6日の労働政策審議会労働条件部会に「今後の労働時間法制等の在り方について(報告書案)」を提出しました。

今回の改正案のポイントは、大きくは以下の2つです。

①働く時間ではなく成果で賃金を払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度の導入
②年次有給休暇の取得について、従業員の持つ「年次有給休暇の時季指定権」を企業側へ一部移行
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①の「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度とは、いわゆるホワイトカラー労働者(主に事務に従事する人々を指す職種・労働層)に対する労働法上の規制を緩和・適用免除する制度です。

今回の改正案では、年収1075万円以上の専門職(金融ディーラー、アナリスト、医薬品の開発者、システムエンジニア等を想定)に限り、週40時間を基本とする労働時間規制から外すものであり、働いた時間ではなく成果により評価して賃金を支給するということを認める制度で、柔軟で効率的な働き方を促進する狙いがあります。


②については、従業員が保有している年次有給休暇の一部(5日)について、取得時期を指定して与えることを義務づけることとし、確実に年次有給休暇を取得させることが大きな狙いです。

さあ、この法改正案が実行された場合、年次有給休暇の取得率は実際に改善されるのでしょうか?
厚生労働省の「労働時間等の設定の改善の促進を通じた仕事と生活の調和に関する意識調査(平成25年)」によれば、年次休暇を取得する際に、「ためらいを感じる」あるいは「ややためらいを感じる」人の割合は66.0%で、躊躇する人が多いことがデータからも明らかとなっています。

やはり「迷惑をかけたくない」ということが根底にありますし、中小企業においては人手不足の企業も多く、仕事をたくさん抱えて残業をしている状況では、現実的に休むことができないというのが実態です。

また、企業風土の影響も大きいのですが、いざというときや病気に備えて年次有給休暇はあまり消化しないでためておく、というのが当たり前になっている企業も少なくありません。
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2019年4月からは中小企業においても、残業代の賃金割増率引き上げ(月60時間を超える残業には通常の50%の割増賃金支払い義務)の施行が予定され、過重労働を抑制する方向です。

残業の抑制と年次有給休暇の取得を促進する一方で、時間ではなく成果に対して賃金を払う制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)を設ける…

国の方針としては、一方では働き過ぎを抑制しながら、一方では規制を緩和する「働き方改革」を促す予定です。

これらの改正案は、政府の掲げるワークライフバランスの推進に沿った施策でもあり、ずっと以前から検討されてきました。

企業間競争が熾烈になる中、
ワークライフバランスにより従業員の心身の健康を重視しつつ、短い労働時間の中で、いかに生産効率を高めるか!今後いっそうの企業努力が必要になるといえるでしょう。

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【写真上:春の琴ライブに癒されたひと時♪♪】
【写真中:飛行機から見た雪の南アルプス~なんて美しい!!】
【写真下:一輪の深紅の椿に心惹かれて…】

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