「アリさんマーク」のテレビCMで知られる「引越社」(名古屋市中川区)の従業員らが、客の荷物が破損した際などの弁償金を給料から天引きされるなどしたことは不当だとして、同社やグループ会社に約7000万円の支払いを求める訴えを31日、名古屋地裁に起こしたそうです!!
訴状によると、同社は引っ越し作業中に発生した荷物の破損や交通事故などの賠償に必要な金額を「弁済金」名目で、これまで従業員の給料から天引きしてきたとのこと。
原告によると、「運送中の事故でトラックが傷つき、修理代金として40万円を負担させられた」、衣服が入っていた段ボールが雨でぬれた際にクリーニング代約15万円を現場にいた6人で払わされた」など…。
これらについてですが…、
労働基準法第16条は、「賠償予定の禁止」を定めています。
つまり、会社(使用者)は労働契約の不履行について、違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならないと定めています。
ただ、あらかじめ金額を決めておくことは禁止されていますが、労働者の重大な過失などにより、実際に会社に損害を与えた場合は、損害賠償の請求をすることができます。
また、労働基準法第24条第1項では、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と定めています。このように賃金は「全額払い」が原則となっていて、例外的に次の2つの場合に限り、賃金の一部を控除して支払うことが認められます。
①法令に別段の定めがある場合
②労使間で締結した書面による労使協定がある場合
しかし、上記②の労使協定によって控除できるのは、家賃など支払の事由と金額が明白なものに限られますので、損害賠償金は発生原因や労働者の過失の程度、損害額の評価など不確定な要素が多いことから、これを労働者の有する賃金債権と相殺することは例外事項には相当せず、労基法の全額払いの趣旨に反するものと解されています。
これだけではなく、原告によると、同社では、不透明な評価基準による賃金の減額があったり、長時間労働に対する残業代の未払いも横行していたとの訴えです。
原告は20~30代の男性従業員ら12人。
東京や大阪でも同様の訴訟を予定しており、原告は計約30人に上る見込みです。
皆さんの会社は、大丈夫ですか?
今回は、テレビCMをし、それなりに知名度の高い会社なので、信頼失墜によるイメージダウンは大きく、こんなことを報道されると、ブラック企業のレッテルを貼られることでしょう!!
法律を知らなかったから…では済まされないことはたくさんありますね。
経営者の皆さん、人事・総務ご担当の皆さん、労働法や民法など、必要な知識を是非しっかりと身に付けておいてください。
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