知っ得コラム

■未払賃金の立替払制度について

今月、高級料亭 船場吉兆が廃業を発表(事務所ブログ参照)しましたが、最近では、企業の倒産による解雇は珍しくありません。
もし、皆さんの会社が倒産するようなことになってしまった場合、会社が約束した給与や退職金を支払う余力がないような場合は、どうなるのでしょう。

『未払賃金の立替払制度』という国の制度があります。これについてご説明しましょう。

【未払賃金の立替払制度の内容】
1.未払賃金の立替払制度は、企業が「倒産」したために、賃金が支払われないまま退職した
  労働者に対して、その未払賃金の一定範囲について独立行政法人労働者健康福祉機構
  (以下「労働者健康福祉機構」といいます。)が事業主に代って支払う制度です。
  ※「倒産」とは、「破産、特別清算若しくは整理の開始又は再生手続若しくは更生手続の開
  始について、裁判所の 宣告、命令又は決定があった場合」、「破産等の手続きはとられてい
  ないが、事実上、事業活動が停止して、再開する見込みがなく、かつ、賃金支払能力がない
  ことについて労働基準監督署長の認定があった場合(中小企業のみ)」をいいます。

2.立替払をしたときは、民法第499条第1項の規定により、労働者健康福祉機構が、立替払
  金に相当する額について立替払を受けた労働者の賃金債権を代位取得します。そして破産
  等の場合は裁判所に対して債権者名義変更届で等を行うとともに管財人等に対して弁済
  請求をし、事実上の倒産の場合は事業主に対して弁済請求をします。

3.賃金不払を発生させた事業主は、労働基準法第24条違反として処罰の対象となります。

【立替払を受けることができる人】
1.労災保険の適用事業で1年以上にわたって事業活動を行ってきた企業(法人、個人)に
  「労働者」として雇用されてきて、企業の倒産に伴い退職し、「未払賃金」(後記Ⅲ参照)が
  残っている人であること。(ただし、未払賃金の総額が2万円未満の場合は、立替払を受け
  られません。

2.裁判所に対する破産等の申立日(破産等の場合)又は労働基準監督署長に 対する倒産の
  事実についての認定申請日(事実上の倒産の場合)の6ヶ月前の 日から2年の間に、当該
  企業を退職した労働者であること。

【立替払の対象となる未払賃金】
立替払の対象となる「未払賃金」は、退職日の6カ月前の日から労働者健康福祉機構に対する立替払請求の日の前日までの間に支払期日が到来している「定期賃金」及び「退職手当」であって、未払となっているものです。
なお、毎月の賃金から差し引かれている社宅料、会社からの物品購入代金、貸付金返済金等は未払賃金から差し引きます。

【立替払をする額】
立替払をする額は、「未払賃金の総額」の100分の80の額です。ただし、立替払の対象となる未払賃金の総額には限度額が設けられておりますので、この未払賃金の総額の限度額の100分の80が立替払をする額の上限となります。 限度額は、退職の時期及び年齢により異なります。

【立替払の請求手続】
労働基準監督署にある「未払賃金の立替払請求書」(未払賃金の立替払事業様式第9号)に必要事項を記入し、必要添付書類とあわせて労働者健康福祉機構に提出します。
立替払の請求ができる期間は、裁判所の破産等の決定の日または労働基準監督署長の倒産の認定の日の翌日から起算して2年以内に限られています。添付書類など、詳細については最寄りの労働基準監督署に問い合わせてください。

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